豆知識・FAQ
豆知識 第6講高圧空気輸送装置の設計ポイント
前項では、比較的設計が容易な低圧空気輸送装置を例にして、空気輸送装置の基本的な設計ポイントを説明しました。
本講では、私たちの特徴的な技術である高圧空気輸送装置について、その特徴、メリットと設計計算方法について説明します。
01高圧空気輸送装置の特徴
- 長距離・大量輸送します。
- リフトタンク(ブロータンク)加圧によるバッチ連続式輸送装置です。
- 輸送ガスには高圧のコンプレッサーエアーを使用します。
- 高濃度輸送による装置の小型化、超低速輸送による製品の粉化防止など、さまざまなニーズに対応します(設備設計の自由度が高い輸送装置です)。
02高圧空気輸送装置の動作サイクル
高圧空気輸送装置は、バッチ連続式で粉粒体を輸送します。バッチ毎の工程(動作)を以下に説明します
各工程を繰り返し連続する方式が「バッチ連続輸送」です。
03高圧空気輸送装置のメリット
- 低速で輸送出来るため、配管摩耗を小さく抑えることが出来ます。
- 外部から異物が混入する可能性が無く、食品や薬品の輸送が可能です
- 乾燥したガスを用いることにより、潮解性の粉粒体の輸送が可能です。
- 不活性ガスを用いることにより、可燃物や爆発物の輸送が可能です。
- 酸素リッチなガスを用いることにより、炉内の燃焼を促進させることが可能です。
04高圧空気輸送装置の設計計算
デンカエンジニアリングでは、高圧空気輸送装置の設計をコンピュータシミュレーションを用いて行います。
高圧空気輸送装置の設計は下記のような手順で行い、種々の設計条件に対して最適解を求めます。
【参考】粉粒体空気輸送 輸送圧力の計算
第5講でも述べましたが、粉粒体とガスが配管の中を流れると、粉粒体の衝突やガスの摩擦抵抗で圧力損失が発生します。この圧力損失が空気輸送に必要な圧力になります。
固気二相流の圧力損失計算の基本的な式
ΔPt = ΔPa + ΔPs
ΔPt:輸送圧力
ΔPa:ガスの流れによって生ずる圧力損失
ΔPs:粉粒体の流れによって生ずる圧力損失
輸送管内の圧力は粉粒体輸送の下流に行くに従って低下しますので、管内の状態に合わせコンピュータシミュレーションを行い、輸送圧力(圧力損失)を計算してゆきます。