豆知識・FAQ
豆知識 第5講粉粒体空気輸送の基本
ここでは、低圧空気輸送装置を例にして、粉粒体の空気輸送装置の基本を説明します。
01粉粒体空気輸送装置と固気二相流
固体(粉粒体)と気体(ガス)が混ざると、あたかも液体のような性質を示し、流動化します。この状態を「固気二相流」と言います。
この「固気二相流」の性質を利用した輸送装置が「粉粒体空気輸送装置」です。
因みに、火山噴火の際に発生する「火砕流」も、この「固気二相流」です。このように「固気二相流」は強い威力を伴った自然現象として発生することもあります。
02固気二相流は変化します
固気二相流の様子は、粉粒体の濃度(固気比)や流速により様々に変化します。
以下は配管内における粉粒体固気二相流の流動状態を例に示したものです。
配管内のガス流速が低くなるにつれて均一流→管底流→疎密流と変化し、低くなり過ぎると閉塞します。
低圧空気輸送では均一流に近く、高圧空気輸送では疎密流またはプラグ流となります。
03空気輸送装置の設計ポイント
低圧空気輸送装置を例にして、空気輸送装置の設計ポイントを説明します。
低圧空気輸送は均一流で、固気二相流が安定しているため比較的設計が容易です。
a) 設計条件(輸送能力・距離)を決めます。
b) 輸送配管径とガス流速を仮定します。
c) 空気輸送時の輸送圧力を計算します。
粉粒体とガスが配管の中を流れると、粉粒体の衝突やガスの摩擦抵抗などで圧力損失が発生します。この圧力損失が空気輸送に必要な圧力となります。
d) 計算結果が適切であれば設計完了です。
もしも計算結果が設備・機器の仕様範囲外であれば、b)に戻って計算の条件を変更して再計算します。